ビジネスにおける「距離」

ビジネスの拠点、あるいは、店舗や現場の位置、距離について考えてみます。

所在地を、東京から近県に移した、ある会社の話です。移転先の地価が東京より安く、今よりも広いスペースになるというのは名目で、真意は社員のリストラであるというのです。長年在籍している社員の高騰した給料や賃金に喘いでいた経営者は、勤務先が遠くなれば、通勤の困難から、自発的な退職者が多く出るということをねらったらしいというのです。このような、後ろ向きの拠点の決め方はさておき、ビジネスの拠点をどこに置くかは重要な要素です。

つぎは、複数の店舗や営業所、現場などの話です。ある会社が現場を増やしました。当然売上の数字は上がりました。しかし、新しい現場での人手も増えて、結局その年は人件費の増加により、損失を出してしまいました。これまでの現場との距離が離れすぎていたため、シフトが上手く組めず、無駄な雇用を余儀なくされてしまったからでした。

飲食店(ラーメン屋)で、似たような事例を聞きました。第一の店舗が成果を上げてきたので、次の出店を計画しました。客の取り合いが無いようにと、距離を置いて、第二の店を作りました。しかし、人員の調整、両店間の食材等の運搬の手間、新しい店の立地等、不利が重なり、最終的には両方の店を閉めてしまうことになってしまいました。この事業者は、このことを教訓に再度チャレンジし、複数の店の距離を上手く測って、次は成功に導いたそうです。

フランチャイズなどで、店舗拡張を図る際に、本部の会社が、商品配送の効率等から、同じ街道沿いに店舗を配置したりするというのも、ビジネスの展開の一例です。

ビジネスの成功には、いろいろな条件があり、位置、距離もそのひとつです。

カテゴリー: コラム — admin 9:34 PM  コメント (0)