2009 年 8 月 27 日
少子化対策
近くの駐車場で、野良猫が子猫を四匹、生んだ。
隣地に生い茂っている雑草の陰に隠したり、
ときどき連れて歩いたりしながら、
ちゃんと育てている。
少し離れた通りを、選挙カーが走っていく。
今回のマニフェストの目玉のひとつは、少子化対策だ。
国の人口の減少は、その存亡に懸かるとはいえ、
「生めよ、増やせよ、育てよ!」と、戦争中のスローガンを
彷彿させるかのようだ。
子どもを生み、よく育てるための条件は、まず、
今を生きている人が、尊重され、
幸福を追求できる環境にいる、ということだ。
希望や充足感が無い暮らしの中では、次世代を生み、
育てることを、肯定的には捉えるのは難しい。
新しい生命を、ゆったりと育む社会というには、今は、
あまりに忙しく、貧しい。
人も猫も、ひとたび生を得たら、人らしく、猫らしく、
暮らしてゆけるように、願うばかりである。