2012 年 12 月 16 日
坂
東京で暮らし始めた場所は、
急な坂道の下にある下宿だった。
坂の下は、普通の民家や、
賃貸住宅などがあり、
坂を上がる途中から、
大きい、素敵な家が現われてくる。
黒澤明の「天国と地獄」は、
高台の豪華な家を見上げながら犯行を思いつく、
貧しい男が描かれているが、
設定が似ていると、思ったりした。
その後、何年もたってから、
大雪の日に、その坂で、
そり遊びがあったとのニュースを知り、
またまた、おかしくて、笑ってしまった。
いろいろな所に暮らし、
多くの道を歩いたが、
東京は坂道が多い。
調布にも坂は身近なところにある。
多摩川周辺の位置から駅方面に向かう道も、
結構な勾配が続く。
自転車で、息を吐きながら、
駅に急ぐ人を見かけるのも
坂の途中だ。
坂道の左右には、
高層の建物が無いので、
空が広がって見える。
ほっとする空間である。