ビジネスの「利益」について

顧問先が不動産屋さんに新しい店舗を
紹介してもらうことになりました。
紹介された物件は、
他の会社がその店舗で現在営業をしており、
その会社の営業権と在庫とを引き継ぐことを条件に、
その店舗の賃貸借契約を進めたいというものでした。
不動産屋さんは、その営業からは、年間○○○万円の
利益が出ている、と言っているというのです。

その物件はたしかに、立地、面積等から見ると、
賃料、保証金は、やや安いとも思えました。
顧問先は、この話から、その店舗を借りるかどうか、
迷っていました。

ビジネスで「利益」が出ているという時に、
それはどのようにして出した数字かが問題になります。
会社で「利益」といわれるものには、5つあり、
顧問先にはそこから理解してもらい、
不動産屋さんの言っている「利益」を判断するように
説明しました。

小売業を例にとってみます。

事業者は、まず商品を仕入れ、それを販売します。
売上げた金額から仕入にかかった金額を引いて
得られた数字が、<売上総利益>(①)です。

商品を売るための店舗の家賃、電気代、人件費等の
経費を引いた残りの数字が、<営業利益>(②)です。

本業以外の収益・費用、
例えば株での儲けや受取利息、
配当、借入金返済の利息等を
プラスマイナスして出した数字が、
<経常利益>(③)です。

会社も時には、
土地を売却して利益を出したり、
火災や盗難に会ったり、
取引先の倒産で不測の損失を蒙ったりします。
そのような特別な利益、損失を加減して、
<税引前当期純利益>(④)を算出します。

そこから、「法人税等」「法人税等調整額」を引いて
<当期純利益>(⑤)を求めます。
これが、会社の最終の、
本当の意味での「利益」と言えます。

漠然と、「利益が出ている」と言っても、
どの数字をどのように理解するか、
またその数字が算出されてきた内容はどうかを
考える必要があります。

カテゴリー: コラム — admin 10:59 PM  コメント (0)